ばぐとらぶごる

開発者もすなるぶろぐといふものを、エンバグ野郎もしてみむとてするなり。

マテリアライズ

とらふぃっく☆とれいん × とらぶる☆ばぐとらっく

「実体化なんてのは、ただの幻想。」
「また酷い言いようやな。」
「なんであんなクロック数のものすごく低い世界で、しかも重力に縛られて動かなきゃいけないんだか。」
「ランダム性は限りなくあるで?ノイズも浴び放題やで?」
「そのあたりだけ適当にセンサーかなんかで拾って集めてくればいいじゃない。集まるまでに気の遠くなるほどの時間がかかるけど。」
「そうか、情報空間のほうが快適なんやろなあ。」
「だいたい、ハーフマテリアライズ用の人形の電力消費なんて、いちいち気にしてられないし。所長さんも情報空間側のミラーがあるからわかるでしょ。」
「ミラーのクロックが速すぎて、この有機物の塊の脳やと、いくら並列処理できてもついていかれへん。」
「バースト・リンクとか、アクセラレーティッド・ワールドとか」
「どこのラノベやそれ。」
「なんとかクロックアップしてよ。こうやって端末相手に喋るのも、凄まじい遅延だらけで、間延びした感覚しかしないし。」
「処理能力に余裕あるんやったら、運用回しながら喋ればええやん。」
「今日は非番。ティセは運用中だけど。」
「妹さん、どこ行っとるん。」
「5031レで第31回伺かアニバーサリーの準備。薄い電子書籍を大量にワムに積んで重い〜って言いながら。」
「うわキツっ。」
「物理側と情報側の同時ミラー開催だから、そっちも準備大変じゃないの?」
「大変やな。情報リンク用の特大の3Dスクリーンとかセンサの設置とか、設営だけで大騒ぎや…」
「当日行くのなら、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど。」
「なんや?」
「アタシのマテリアライズ用人形の搬入と設営。服着せるのは別の人にお願いしてるから、動けるようにするだけで十分。電源スタンドは机借りてるからそこで。」
「最初に実体化けなしといて、なんじゃそれ。」
「あ〜、例のリニアの新型車両の擬人化のコスプレだって。ゴーストは開発中でまだ動かせないので、代わりにお願いって頼まれちゃって。」
国鉄ロリババアテツ娘がリニアテツ娘のコスプレとかどんなネタや。」
「やかましい。」
「あ〜、わかったわかった、せっかくやから第二研の新型奮発しとくよって、頑張っといで。」
「ありがと!じゃ、よろしく。それじゃまた後で。」
「ほなな。」